小屋

悪は存在しないの小屋のレビュー・感想・評価

悪は存在しない(2023年製作の映画)
3.5
 まず初めにこの映画を見たのは前日寝たあと4時間で目が覚めてしまい、寝れそうにないので「珍しく朝映画でもやってみるかぁ!」という気分で『リンダはチキンが食べたい!』を見たあとだった。『リンダ〜』は別にそこまで眠くなる箇所がない、子供も一緒に見れるハートフルコメディ映画だったのにも関わらず途中眠すぎてうつらうつらしてしまっていた後に、この映画を見てしまったのは不幸としか言いようがないのではないだろうか(圧。
 でも寝なかった!…寝なかったと信じたい。オープニングでいきなりしたからセリフなしで森の木々を見上げるカットが5分くらい続く場面で諦めかけたけど、基本的に寝ずに見られたと思う。少しうとうと見逃した場面はあるかもしれないけど…。
 まあこんな永い言い訳はともかく本編はというと、正直微妙だった。極力セリフその他の演出を削ぎ落としたような作風で、生の濱口竜介を僕は理解できなかった。前作『偶然と想像』のような2人だけで話すシーンの楽しさのようなものもなくはないのだが、それがこの映画の全てでは全くないし、企業が地方の人間を搾取することというテーマもそこまで追求されているわけではないと感じた。いや、確かに作品の大きなテーマなんだけど、物語の結末は全然そことは違う場所に着地すると言うか…。特に後者は、映画のポスターや予告編でもこういう映画なのかな〜と想像した部分でもあったので、意外でもあったし、補助線がなくなってしまってどう言う映画なのかわからなくなってしまった理由だとも思う。まあでも今考えてみれば、もしかすると“鹿”と言うのは都市から搾取されるものの象徴で、主人公の娘の花はその生贄になるような形になってしまった、と言う解釈も可能だと思う。けどあまりにも削ぎ落とされていたので、正直解釈することは観客に投げられてしまっているので意味がないとも思った。
 まあともかくいまいちピンとこない映画だった。でもウトウトしてる間に見落としている点が確実にあると思うので、また配信などされたら見てみたいと思う。
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