劇場鑑賞は初めてです。濱口竜介監督作。
冒頭、見上げる木々の梢や薪割りの様子の、かなりじっくりとした長回しに、唯一ソフトで観た「ドライブ・マイ・カー」を思い出し、『えっ、二時間切ってる尺だけど、ベースのテンポはこんな感じですか…？』と、ちょい構えたけれど…
「田舎・自然」と「都会」の分かり易い対立項。決して（記号的）に落とし込まず、それでも期待通りに悪い空気の説明会。しかしその後、背景が描かれて都会側の二人にも、事情・立場への理解・同情を覚える。（二度目の来訪時、車中での会話のシーンが特に良かったぁ…）そして相互理解への僅かな可能性…
『なんだ、フツーに良い作品だなぁ』と、終盤まで満足しながら鑑賞しておりました…が…はい、あの“衝撃の”ラスト…！ 星取表の検討に入ろうとしたところで突然魔球を顔面にぶつけられたような感触。家族でも友人でもパートナーでも、誰かと一緒に観て、あれこれ語り合えた人が羨ましい…！
因みに自分は………最後の車中での、鹿を巡る問答の『結局、何も分かってないのかよ…そういう考えかよ…』に対する、ある種の抽象的な回答……といった感じかなぁ…と、ボンヤリ思っておりますが…。
