劇場で鑑賞
ストーリーはシンプルで感情移入し易い内容ながら、単純な二元論では片付けれないこの世界の仕組みを突きつけられる。
自然をコントロール可能だと信じる人間の驕りを風刺すると同時に、善も悪も存在しない複雑怪奇なこの世界の身も蓋もなさを巧みに炙り出している。
先の読めない展開もそうだが、こちらの意表を突くカメラワークや劇伴の編集が独特で、静的な題材のわりにダイナミックで無類に面白い。
また、精錬された台詞もそれ故に一言一句に重みや厚みがあって圧倒される。
これは何度観ても新しい発見や読み解きが出来る映画だな。