蕎麦

悪は存在しないの蕎麦のレビュー・感想・評価

悪は存在しない(2023年製作の映画)
4.6
頭を殴られた感覚。終始、死の匂いと不穏な空気がスクリーンから漂う。美しい自然を捉える長回しもどこか不気味に見える。印象的な台詞やコミュニケーション。芸能事務所側への見方が変わる車中の会話。厳かな石橋英子の音楽と、その謎の切り方。すべてに心を揺さぶられた。何よりも唐突なラスト。突飛な行動に戸惑うが、偶然の重なりにより起きた然るべき結末になったとも言える。濱口竜介監督が常々公言してきた黒沢清からの影響を本作で初めて実感した。「悪は存在しない」素晴らしいタイトル。
蕎麦

蕎麦