濱口竜介監督『悪は存在しない』を鑑賞
『ハッピーアワー』や『親密さ』のような強烈に凄い作品も良いけど、個人的に一番好きなのは『寝ても覚めても』という変わり者なので^ ^
今回はどうかなぁ？と
好きか嫌いかと言われたら 好きだし、
会話なんか相変わらず いやらしいし、
観客を突き放すような脚本（本人が書いているのが凄い）も嫌いじゃないんだけど、
初見のスコアはこんなもんですかね。
ご本人の商業映画作品以前のテイストというか（撮影監督もそうだし）出演している役者さんの素人感とか（そういえば『ハッピーアワー』の役者さん達が結構出ていましたね）すごく「らしさ」を感じた。
ゴダール映画のようなタイトルバックからストーリーが動き始めるまで約30分... 映画館でなければ序盤で観るのをやめる人が出るかも。またカット割りが少し長くて（薪割りひとつとっても2テンポほど映像シーンが長い）劇場ではなく配信とかであれば早送りしてしまう人もいるだろう。これは「映画は映画館で観るべし」って言う監督の意図なんだろうなぁ。
あと、鹿を使うのがうまいですね。
欧米人にとっては聖なる生き物ですし、あの鹿もお母さんのメタファーという見方もできるし。始まりから終わり方も含めて欧州の映画好きインテリ層に響くのだろう。
他にも、横移動などのカメラワークはもちろん、社長と背後の絵画のシンクロ、リモートのコンサルタントww、3人の衣装の色のコントラストとか、見どころはいろいろあるのだけれど、この作品をもう一度リピートしてみたら、受ける印象が更に変わるのかもしれない。
ということで、近々また再訪します。
