このレビューはネタバレを含みます
「なぜ高橋を殺そうとしたのか」
おそらく観た人みんな思うであろう疑問のはず。
終盤にむかうにつれ、タクミと高橋達は打ち解けあっていくかのようにみえる。
しかし最後のシーンで本当は溝が深まっていっていた事に観客は気付かされる。
これは「人間同士が如何に相手の表面しか見ていないのか」という啓蒙ともとれる。
また、主人公のタクミは「バランスが大事」と説明会でも話していた。自然を愛する娘の死を悟り、自然破壊の象徴である高橋を殺す事で魂(?)のバランスを維持しようとした、と解釈できる。
撃たれたシカがこちらを見つめるカットは自然界からの罰を意味していると感じた。
そして、その視線は我々観客にも向けられている。