長野県方面の山岳地方の町で、グランピングを開業したいと補助金目当ての芸能プロダクションが町民に対して説明会を実施した。それにより町民のこころをざわつかせる事となった…というストーリーなのかと想像しながら鑑賞したが、予想の斜め上の作品だった。
『ドライブ・マイ・カー』で一躍寵児として注文された濱口竜介監督であるが、本作においても作家性を堅持し何処となくオフビートでおかしな会話劇を中心に必要なのか分からない程の長尺ワンカットを用いている。
ストーリーは町民の数名だけでなく、芸能プロダクション側もじっくりと映し出す。そして芸能プロダクション側が地元の生活を体験して理解していこうと前向きな方向性を描いていたが、主人公、安村巧の娘が行方不明になってしまう…。
娘の失踪からの展開がなんとも。流石、濱口竜介監督だな。ぶれないなぁと。
個人的には、山中のグランピング予定地が、鹿の通り道と言っていたが、娘も芸能プロダクションの高橋も犯してはならないテリトリーを荒らしてしまったという事なのでは?と解釈したのだが….。高橋を止めに入っての羽交締めという展開だったし….。