最初のタイトルバックにEvil existと出てその後does not と否定される。観終わってからそのことを何度も反芻してしまう。棒読みの台詞、何を考えているのかわからない登場人物、濱口ワールドは今度は何を見せてくれるのか。
グランピングの説明会のくだりでは田舎地元民vs都会人のわかりやすい構造にそこで一本撮る人もいるだろう。中央高速のドライブ場面(ここはおもしろかった)では、いやいや都会人も案外疲れているだけでそんな悪い人じゃないんです。とそこでまた一本撮る人もいるでしょう。
でもぜんぜんそんなんじゃなかった。そんなに甘いもんじゃなかった。バランスを取るって舌触りの良い最良の解決に聞こえるけど、あなたはそれで満足しますか?と突きつけられたような。
木を見上げてトラッキングしていくショットに石橋英子の音楽が不安を絡ませつつ重厚で素晴らしいイメージでした。
どなたかのコメントにありましたか、アンドレイ・ズビャギンツェフ監督の「ラブレス」を思い出した。
ちょっとネタバレになるけど、最後の息遣いは誰のものだと捉えるか?