チスッッッ

悪は存在しないのチスッッッのレビュー・感想・評価

悪は存在しない(2023年製作の映画)
4.8
毎度ながら濱口監督の作品は登場人物の解像度が高すぎるので、今回も没入してしまいました。

濱口ファンとしては冒頭の素晴らしい音楽と潤沢な大自然カットだけでもう大満足だったのだが、パンフを読むとドライブマイカーの石橋英子さんとのタッグで、しかも元々は石橋さんの音楽作品として撮られた映像ということで、色々と納得。そりゃもう最高なわけですよ。あと3時間くらいあっても全然観れる。

人間と自然、人間と人間、どれにおいても「他者との共存」にはそれなりの礼儀と受容が必要である。

最後の結末は正直まだ解釈しきれてない部分があるが、巧の足音が止まってしまったということは、そういうことなんじゃないだろうかと思う。

本作の登場人物は皆それぞれの正義のもとに生きており悪意はないのだが、悪い出来事というのはいかんせん起きてしまうのが世の常である。
誰も悪くない、悪くないからこそ、ただ受け入れる。というラストだったのかな、、、。分かるような分からないような。