このレビューはネタバレを含みます
前半は自然対都会のわかりやすい二元論と思いきや、ラストでいい裏切りを見せてくれた。
半矢の鹿に近づこうとする娘の花も、助けようとする高橋を暴力で行動不能にしてしまう父の巧も、最初は状況が上手く飲み込めず唖然としてしまった。
タイトルの意味を理解した上で、最後の巧と花の行動は鑑賞者に混乱を招かざるを得ない。しかし自然は生物の命を奪うことさえ、善悪を区別しない。悪は存在しないがバランスを崩したものはそれ相応の罰を受けなければならない。
巧は既にバランスを乱してしまった娘の運命を受け入れていたのだろう。