えみ

悪は存在しないのえみのネタバレレビュー・内容・結末

悪は存在しない(2023年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

• 石橋英子さんの音楽と映像が調和していてかっこいい。木々の合間に人が見え隠れするシーンとか、印象に残るカットが沢山あった。

• ラストに驚いてぽかんとしている間にエンドロールがごくシンプルに流れ、急に置いて行かれた感覚になった。
映画館にいた人みんな集めて感想会したかった。

• 花が帽子を脱いで鹿に近寄るのは冒頭の説明会で巧が発言するシーンと重なって、相手(自然)に敬意を払って対話を試みている、でも巧はそれは無理だと分かっているので咄嗟に娘の代わりに高橋を置いていった、ということだと思った。
環境保護なんてできない、誰かが害を被るみたいな話もあったので、今回はよそ者である高橋がバランスをとる役割だったのかも。

というのが今の感想だけど、血を流す花や冒頭のシーンとうまく繋がらない。そもそも花は息があったのか?とか、とにかくびっくりして細かいところを覚えてないのでもう一度みたい。

• 車中での半矢の鹿の話や黛の病んでたという話とか、半矢の鹿は主人公含む人間全般のことで、戦って結果他人を不幸にすることはある、悪はなくただ結果があるということなのかなと思った。

• 妄想かもしれないが、巧の妻について誰も触れないこと、金に困ってないという発言などから、妻が何らかの事故で亡くなっていて呆然と保険金で暮らしている、まだ傷は癒えていないから周囲は付かず離れず見守っているような状態と受け取った。
巧の様子も元々と変わったのだと思う。そもそも忘れっぽい人に忘れすぎとは言わない気がするから。

• 不本意な仕事を遂行しなければいけない嫌さとか、意思決定者のふわふわして実感を伴わない指示とか、コンサルの感じとか、リアルすぎてうっとなった。社長とコンサルは町に対しては義務を果たしていない2人だったけど、業務継続とか別の責任は果たしてるので、悪とも言い切れない。
高橋は言葉も行動も上滑りしてるけど真面目なのは伝わってきて、実際にいそうな雰囲気もあいまって余計切なかった。

• ドライブマイカーとこれしか知らないけど、監督の車のシーンへのこだわりを感じた。
えみ

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