はる

悪は存在しないのはるのネタバレレビュー・内容・結末

悪は存在しない(2023年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

見事な会話劇だったなぁ。
物語のヒントが会話に散りばめられていた。
半矢の鹿やその親は稀に人を襲うことがあると言っていたけど、巧がまさにその半矢の鹿の親だったのかなと思う。

結論出すの難しすぎるので、
とりあえず思いついたことを書く。

自然と人間による自然破壊の話のようにも思えたし、都会と田舎の対立構造の話にも思えたし、強者から弱者に対する無知の暴力の話のようにも思えた。

タイトルの指す、悪ってなんだったのかなって思うけど、
水は低い方に流れるように、
悪意がなくても、社会の均衡を崩す行為によって最終的に割を食うのはいつも弱い人だってことなのかな。それで、争いと全く関係のないところにいるように見える花が犠牲になっているのは、社会の汚れの割を食うのは、子供だって言ってるみたいだった。
花がその弱者の象徴のように感じられるラストだった。

タイトルのいうように、明確な悪は存在しなくて流れた方向が悪い結果をもたらすのかもしれないけど、他者への無関心が積み重なって、悪の源流になりうるような気がした。
まあタイトルは盛大な皮肉かもしれないし。
はる

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