Omizu

僕はキャプテンのOmizuのレビュー・感想・評価

僕はキャプテン(2023年製作の映画)
3.4
【第80回ヴェネツィア映画祭 監督賞】
『ゴモラ』マッテオ・ガローネ監督の新作。ヴェネツィア映画祭コンペでプレミアされ監督賞を受賞、アカデミー国際長編映画賞にもノミネートされた。先日発表されたダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞でも作品賞を受賞している。

ガローネ作品はハズレがなくかなり期待していた。その期待が大きすぎたのかな…ガローネにしては刺激に欠ける凡作という印象。

一定の面白さはある。流石に脚本はよく出来ているし、ガローネらしいファンタスティックな夢描写もよかった。サムネにもなっているこの画像のシーンは素晴らしい。

しかし、ガローネに求めていたのはこんなもんじゃない!という気持ちに勝手になってしまった。常に我々観客の予想を超えた「その先」を描いてくれるのがガローネだと思うのだが、それがなかった。良くも悪くも普通の難民映画になってしまっている。

もちろんクオリティは素晴らしい。脚本も演出もすべて一級。なのだが、こちらの予想をあまり超えてきてくれない。普通によく出来た作品だとは思うが、ガローネに求めていたものではなかった。期待値が上がりすぎていた自分が悪いのかもしれないが、少し残念な作品だった。
Omizu

Omizu