わか

ハピネスのわかのレビュー・感想・評価

ハピネス(2024年製作の映画)
3.8
主役の2人の周りだけひだまりのように暖かい空間が流れていた。
人生の終わりが見えているからこそ鮮明になる自分の気持ちと、それに従って生きることのできる特別な時間は、何人たりとも踏み入れることのできない特別な時間なんだと感じた。

物語自体はよくある余命数日の彼女との時間を描いたラブストーリーで、特に捻りはなし。
最近SNSでこういう系の作品の主人公はなぜ、残された時間は家族と過ごさないのかっていうのを見かけたんだけど、ホントそうだよなって思った。

ただ、この作品を観ていると少なくとも、家族だから叶えられる願いと、恋人だから叶えられる願いがあって、実際に死に直面した時に自分がやり残したことと、それを実現するために必要な存在は誰かを判断して選択した結果なんだろうなと思った。

とはいえ、本人の意志、あなたの人生って言葉では割り切れない感情が選ばれなかった方にはあるのだけど。

だから、正直主役の二人より、最後の最後まで娘の意思を汲んで好きにさせてあげた両親の二人の方に心を打たれる作品だった。

あと、何と言っても橋本愛のビジュアルが美し過ぎる、眼福でしかない。
下妻物語の樹木希林もそうだけど、嶽本野ばらの作品って、本編のストーリーに直接関係ない浮世離れしたキャラクターが1人は居て、そんな登場人物が主人公の世界線でボソッと大切なことを伝えていく感じがとても好き。
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