ホリーが時の人となり、貧乏で誰にも見向きもされない生活から脱したことを嬉しがって、クライアントから差し出された金を受け取るのに対して、アナは不妊や夫をホリーが簡単に救ったことに嫉妬していく。最初は邪な考えて彼女を誘ったにも関わらず、二人の立場はいつの間にか逆転してるのだ。二人の関係性、ホリーの純粋な善意とアナの経営者的目線から利他主義の限界のようなものを垣間見ることができる。また、大したこと言ってないホリーを簡単に信じてしまうことから、人間の弱さみたいなものも描かれている。とはいえ、全編を通して良く言えば挑発的、悪く言えば目的のはっきりしない映像が並んでいるだけなので退屈ではある。しかも、そうやって宙ぶらりんにし続けた結果、ラストでフランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッド「The Power of Love」のリミックスがかかることで答えを出してしまっているのがなんとも。流石にこれにはズッコケてしまった。