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人間の境界のalsaceのレビュー・感想・評価

人間の境界(2023年製作の映画)
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ヨーロッパの難民問題の映画です。っていうとまたかよ。
っていう感じで食傷気味になってしまいがち。

これはベラルーシvsポーランド国境で、世界各地から流れ着いた難民の方々を盾として、国際問題を拗らせる。
という、ある意味今の時代の、戦争や紛争あるいは経済問題の闘い方だな。って思いましたね。
物凄く汚い手段ではありますけど。

この作品の良かった部分は、市民目線で、多角的に描いていた事。難民、国境警備隊、難民救助のNGOなど、それぞれの事情が浮かび上がる事で、これそんなに特別な問題じゃなくて、あなたの周りでも似たような問題あるでしょう。って提起されている気持ちになりました。

終盤にかけて、かなり人道主義に寄っていくんですけど、これはきっと、欧州の市民目線だからなんだと思ってしまいました。

これもし、アジアだったら、こうなるだろうか。と頭の隅に一隅の不安がもたげました。

なんていうか、日本を含むアジア諸国の方が、人の権利や命を軽く見積もる風潮があるので。

あと、よく日本でも言われる問題で低所得世帯で、スマホは贅沢品なのか。というのは、この映画見ると結論出てますね。
食料・水・医薬品・パスポートに並ぶぐらいの必需品です。
今や社会的に生きるためには必需品ですね。
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