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人間の境界のandardのレビュー・感想・評価

人間の境界(2023年製作の映画)
4.0
ベラルーシからポーランドに亡命を試みる難民が両国政府の思惑によって過酷な状況に追いやられる話。

ここにも、そういう地獄があるんだということを知らせてくれる、という点で意義がある映画。
ポーランド政府が激怒する内容で、制作にも上映にもかなり制約があったようだけど日本でも見られることをありがたく思う。

制作時の制約が感じられなきほど映像も俳優陣もよかった。

延々と辛い状況が続く中で、そこに赤ちゃんを含めた子どもたちを配置することで、未来を考えさせる。赤ちゃんの泣き声は辛い。

さらっと出でくるコロナウイルスの話で、自分たちと同じ世界で起きている話だと思い出させられる。

フリースタイルが泣ける。

映画における、前フリがあってから面倒なことが起きる、言わんこっちゃない、という展開が苦手。

こういう難民問題の映画を見ると、他国と地続きの国境が無い日本が恵まれているだけであって、日本政府もこういう時に上手く振る舞えるとも思えず、ポーランド政府のことも、国境警備隊のことも、あまり批判的になれない。
ルカシェンコは悪だと思うけど。

邦題はどこから来たんだろう。意味がよくわからない。
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