シネフィルFUKUHARA

人間の境界のシネフィルFUKUHARAのネタバレレビュー・内容・結末

人間の境界(2023年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

《 人間兵器 》にされるなんて、全く想像して無かっただろう。

【ポーランドとベラルーシの国境】
ポーランドと東の隣国ベラルーシの境界は、野原・森などの中に人為的に引かれたまっすぐな線(人為国境)と川の流れに沿って蛇行する線(自然国境)から成る。映画『人間の境界』の舞台は、ポーランド・ベラルーシ間の森林に隠れた国境線とそのポーランド側周辺地帯である(第1章冒頭とエピローグを除く)。
2021年の移民危機以後、自動車での国境越えは大幅に制限されている(物流・旅客各1地点)。いずれにせよ、『人間の境界』に描かれているのは、そうした正規の通関手続きを経ての国境越えではなく、ベラルーシ国境警備隊が意図的に開けた抜け道を通っての非合法な越境とポーランド国境警備隊による押し戻し(プッシュパック) である。
映画は俯瞰で緑の森林を写したカラー映像で始まり、原題の『Green Border』(緑の国境〔地帯〕)が白色のフォントで現れる。すぐに色彩が反転して、森林 はモノクロに、タイトルは緑色に変わる。表題は、森林 の中に人為的に引かれた直線の国境を指している。
『人間の境界』の難民たちは、(国境検査が不要な)「緑の国境」がある世界を目指して、ベラルーシ政府が意図的に設けたポーランドとの(国境検査を無化した)「緑の国境」を越える……。
↑HPから一部引用