ウクライナから逃げる200万人もの人々を受け入れたのが、ポーランド。素晴らしい国だと思ったし、ポーランドにも支援していかないと、位に思ってましたよ。
なのに。
ぶっちゃけ、ポーランドのイメージ変わりました。こりゃポーランド政府が上映反対しようとするわね。
難民・不法移民の問題を描いており、この手の作品は、差別だったり法的な問題だったりと色々な切り口があったと思いますが、今回はまた違う問題。
冒頭、緑の森はポーランドとベラルーシの国境がある森。ほどなくそれがモノクロへ。
人間が兵器になる。
シリア難民の家族は、ポーランド経由でスウェーデンへ逃げたい。そこにアフガンから1人で亡命を試みる女性。
この辺の、今いる場所では生きていけないから、違う国で生き延びたい人の過酷な逃亡は、北朝鮮の脱北も観たので、どれだけ大変なのかはわかるが、この人を使って兵器と呼ぶ意味とは?
アメリカも国境に大きな壁を作ってみたり、不法入国した移民・難民により治安が悪くなるなど、確かにその後の問題は山積み。
シリアのように、自国が不幸にも内戦やISISの軍事国家で住めない人々には同情するものの、近所に住んだらどう思うだろう。文化の違いだけでなく、彼らがもし沢山押し寄せて、社会保障の為に我々の税金が上がるとなれば?
もっと簡単に言えば、1週間位のホームステイと思った人には優しく出来るけど、いつまでいるのかわからなくなった途端に「悪いけど帰ってくれる?もしくは、違うどっかに行って」って態度が変わらないだろうか?
しかも、その国の人がロシアと親しくしている、ベラルーシという国から来ていたら?
その人個人に恨みはない。けど、毎日何百、何千人と国を超えてこようとすれば、ある程度の策を講じなければならないだろう。
しかし、現実にはそんな紳士的な事は起きず、人の黒い部分が出る。
弱い立場の人を、虐めて差別し虐待する。
時に騙して金をむしり取り、飲み水を目の前でわざとこぼして捨てたり。
ポーランドの国境警備隊が難民を見つけては、ベラルーシ側へ押し戻す。それだって、森や山の中にただ捨て去るだけ。
そんな人を支援する人達も描いているが、その行為時代も犯罪で、見つかれば拘束される。
映画は3部構成にする事で、一つの事を違う見方で見せてくれる。
まるでドキュメンタリーのような緊張感。
俳優さんの中には、実際にシリア難民出身者や支援活動の経験者もいたそうだ。
ベラルーシからはダメで、ウクライナは良い。
ふと福田村事件の『朝鮮人は殺していいのか』のセリフを思い出す。
ベラルーシ側の「難民を大量に送り込んで混乱させる」なんて考えが恐怖だし、そんな嘘情報でも信じてしまう人の心理も気の毒だ。
国境を接していないだけで、日本も大層冷たい対応を難民にはとるので、他人事ではいられない。
この問題に答えは出ない。何が正解かもわからない。考え続けないとならない問題だ。