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人間の境界のseapointのレビュー・感想・評価

人間の境界(2023年製作の映画)
2.4
難民、国家警備隊、活動家、これではなくとも現実に進行形として起こっている。昔からポーランドのボーダーでは難民が行ったり来たり。そこで命を落とす者、数知れず。一番負を被るのは、国のトップでも銃を持った警備隊でもなく、時代のいやその国の混沌に巻き込まれた一介の民である。難民の大抵は妊婦や乳飲み子、あるいは老人が多い。ツテをたどって亡命、そうそう容易くない。このご時世、あまりにも多いため困難極まりない。金銭渡したとて、武器の前では無力。活動家たちがエライ。遠く離れた所からチャリティももちろん重要だし、大切だが自分たちも危険をさらして幾度となくサポート。彼らにプラスになることなどないのに。これはもう自分のポリシーである。彼らがいなければ地の果てで朽ち果てることもあるだろう。
2024年である。どこかの国では隣人が死に、家屋を失い、故郷を捨てざるを得ない。一方で動画や推しに懸命で円安における海外の旅行者の爆買い。もはやパラレルワールドである。シビアにリアルに、映画を通して可能な限り声を届けたい監督の想いが伝わる。
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