けもの(仮題)を配信している動画配信サービス

『けもの(仮題)』の
動画配信サービス情報をご紹介!視聴する方法はある?

けもの(仮題)
動画配信は2024年4月時点の情報です。最新の配信状況は各サイトにてご確認ください。
本ページには動画配信サービスのプロモーションが含まれています。
目次

『けもの(仮題)』に投稿された感想・評価

どど丼

どど丼の感想・評価

3.9
人間の感情抑制が推進される近未来で、主人公が自身のDNAを"浄化"するために過去にダイブする…というSFサスペンス。「リベリオン」みたいな世界で「エクスマキナ」系のアートSFかな〜と思ってたら、想像の遥か上を行く難解映画だった。

全く異なる3つの時代に現実と虚構を織り交ぜながら介入していくという化け物みたいな複層構造に終始混乱を覚えつつも、余りにも恐ろしい映像と音の表現は面白く、徐々に何となく主題が見えてくる展開はなかなかの気骨。

一つ感じたのは、技術革新によって効率主義化した現代における希薄な恋愛観と、それゆえ顕在化するジェンダー観の理想と歪みに対するアンチテーゼ。これだけ混乱させておきながらそんな説教臭いメッセージかよと思いつつ笑、気持ちは分からなくも無いというか。1960年代後半に生まれた監督にとって、一世代前のヌーヴェルヴァーグ期の自由闊達な時代性への憧憬もあるのかな。

そしてこれだけのメンタルブローを喰らわせておきながら、エンドロールはまさかのQRコードを読み取らせる…という衝撃笑。ベネチアのプレミアでも同じ方式でやったらしい、すげえな。

ジョージ・マッケイのキャスティングが意外だったのだが、元々ギャスパー・ウリエルが同役にキャスティングされていたそう。改めて惜しい俳優を亡くしたなと感じたし、彼の演じるルイも見たかったけど、おそらく大きなプレッシャーの中でルイを演じ切ったジョージの魅力はしっかり炸裂していて本当に良かった。

作品に対して色々と思う所はあるのだが、とりあえずまた一から観たい(長いけど笑)。国内での配給は決まっていて、一般公開は2025年とのこと。今年のMyFFFで配信中の「ジャングルのけもの」は原作が同じ作品らしく、そちらも難解との事で見送っていたが観ようと思う。体力が許せば。。
【STORY】
 大きく複数の時代にまたがって並行して展開する複雑な物語。感情が邪魔とされる近未来、ガブリエルは感情の"浄化"を受けるが…。

【REVIEW】

最推し俳優の一人であるレア・セドゥ様の主演作。まずはバリエーション豊かな衣装と髪型のレア様を拝めて、ファンとしてとても幸せ。

今作は一見かなりカオスな作品。シュールでトガったアート作品のような印象を受ける。しかし、実はかなり世相を映した、読み解きがいがある1作だと思う。

今作は、“感情”と“愛”を描く。我々が持つ“感情”とはなんだろうか。たまにふと悲しみや怒りといったマイナス感情がなければ、と思うことがあるが、マイナスがなければプラスもないのかもしれない。アップダウンがあってこそ、喜びや愛情も感じられるのかもしれない。

それに、感情がなくなれば恐怖もないということ。きっと自分は“喜びへの希望”と“死への恐怖”に生かされている。感情がなくなれば、希望も要らず、死も怖くなくなる。少なくとも、この人生は感情によって生かされているようだ。

真偽問わず情報過多で、誰もがアイデンティティにあがき、良くも悪くも感情を無駄に揺さぶられがちな現代。"感情がなければ" と思うこともあるが、"感情があってこそ"の人生だ。

---
観た回数:1回
---

【星つけた際の"個人的"評価・好み】
※作品のウリじゃなさそうな部分は「-」
総合点83pt/100pt 星換算★★★★4.2

95=スタンディングオベーション/90=大拍手/80=最高!/70=すごい!/60=良い/50=不足なし/40=あと一歩欲しい/30=うーん/20=さすがにちょっと/10=Z級

《配点》
★好み(主観によるただの好み・印象の強さ)
 87pt/100pt
★監督(コンセプト・元ネタ選定・主題・固有演出)
 80pt/100pt
★脚本(設定・起承転結・言葉・脚本でのテンポ)
 90pt/100pt
★撮影(構図・カメラワーク・撮影での映像美)
 89pt/100pt
★演技(演技力・役作り・演技のインパクト)
 87pt/100pt
★編集(カット・編集でのテンポ・音ハメ)
 73pt/100pt
★音響(録音・音響)
 78pt/100pt
★音楽(サントラ・歌曲)
 79pt/100pt
★美術(キャラデザ・衣装&メイク・セット)
 90pt/100pt
★配役(キャスティング)
 90pt/100pt
★VFX(VFXのクオリティ・VFXでの映像美)
 80pt/100pt
ヘンリー・ジェームスの短編小説「ジャングルのけもの」(The Beast in the Jungle)をもとにしたSF心理サスペンス。
監督、脚本、音楽はベルトラン・ボネロ。
原題:La bête、(英)The Beast
(2023、145分)

人工知能が支配する2044年。
脅威とみなされる人間の感情を取り除くため、ガブリエルはDNAを浄化されることに。
その中で1910年のパリ、2014年のアメリカでの出来事(記憶、夢)が交錯するが、いつの日か何か恐ろしいことに見舞われるのではないかという予感と恐怖に襲われる…。

さて、人工知能はヒロインのDNAの浄化に成功するのでしょうか?
ガブリエルは永遠の恋人に巡りあえるのでしょうか?
そして、けものの正体とは?

~登場人物~
・ガブリエル(レア・セドゥ):ピアニスト、留学生(モデル)など
・ ルイ(ジョージ・マッケイ):画家など
・アンドロイド(ガスラジー・マランダ)
・占い師(予言者)

"ニュートラル・フェイス"(人形の表情)
" パリの大洪水"
"シリアル・キラー"
"Générique   Scan Me"(最後にスクリーン上に"QRコード"が表示され、当惑。気づくと隣席の人や何人かがスマホを向けていた…)

「彼とは夢の中でしか愛を交わせない」

ラブストーリー、時代劇、ディストピアSF、サスペンス・ホラーなど多彩なジャンルを盛り込み、3つの時代が交錯した心理劇になっている。
少し分かりにくいが、感情を持った人間と人工知能の対立構造、そしてディストピア社会がベースになっている。
フランス映画祭にて鑑賞。
来日ゲストはプロデューサーのみで残念。
なお、2022年パトリック・シハ監督が同じ原作を映画化しているようだが未見(タイトルは「ジャングルのけもの」 La bête dans la jungle、主演はアナイス・ドゥムースティエ)。

『けもの(仮題)』に似ている作品

ジャングルのけもの

製作国:

上映時間:

103分

ジャンル:

3.0

あらすじ

25年間、謎の“出来事”を待ち受けて巨大なナイトクラブに出入りする一組の男女。1979年から2004年にかけて、ディスコからテクノクラブへと変遷するにつれ変化する愛と執着のストーリー。最終…

>>続きを読む

アルファヴィル

上映日:

1970年05月30日

製作国:

上映時間:

100分

ジャンル:

3.7

あらすじ

銀河系星雲都市・アルファヴィルに諜報員のレミー・コーションが到着する。彼の任務は連絡を絶った諜報員・アンリの捜索と、亡命した科学者・ブラウン教授を救出あるいは抹殺することだった。そんな彼の…

>>続きを読む

エターナル・ドーター

上映日:

2023年12月22日

製作国:

上映時間:

98分

ジャンル:

3.4

あらすじ

マーティン・スコセッシが製作総指揮を務め、昨年のヴェネチア国際映画祭コンペティション部⾨にも正式出品された本作の監督を務めたのは『ザ・スーべニア〜魅せられて〜』などの名匠ジョアンナ・ホッグ…

>>続きを読む

アイム・ユア・マン 恋人はアンドロイド

上映日:

2022年01月14日

製作国:

上映時間:

107分

ジャンル:

3.5

あらすじ

ベルリンのペルガモン博物館で、楔形文字の研究に没頭する学者アルマは研究資金を稼ぐため、とある企業が極秘で行う特別な実験に参加することに。そこに現れたのは紺碧の瞳でアルマを熱く見つめるハンサ…

>>続きを読む

双頭の鷲

製作国:

上映時間:

92分

ジャンル:

3.5

あらすじ

嵐の夜、亡き国王を偲ぶ王妃の部屋に、窓から突然王に生き写しの男が飛び込んできた。男の名は無政府主義者の詩人・スタニスラス。王妃はこの男が王妃暗殺の命を受けていると知りながらも彼を読書係に任…

>>続きを読む

ブレードランナー ファイナル・カット

上映日:

2007年11月17日

製作国:

上映時間:

117分

ジャンル:

配給:

  • ワーナー・ブラザース映画
3.8

あらすじ

2019年、酸性雨が降りしきるロサンゼルス。強靭な肉体と高い知能を併せ持ち、外見からは人間と見分けが付かないアンドロイド=「レプリカント」が5体、人間を殺して逃亡。「解体」処分が決定したこ…

>>続きを読む