オンライン試写会で視聴。
女装をし、レコードをかけ、母親やサルマと自分を重ね、新しい自分を鏡に見る主人公ダグラス。
でもそれはこの映画の中では重要な事ではない。味付けのひとつ。
ダグラスは、不幸な生い立ちを恥じ憎み、人間に愛を求めても無駄だと思い込む。
それはまるで、ジョーカーのようで。
けれども彼と違ったのは、犬たちへの、犬たちからの、愛情が存在するということ。
この物語は「犬」ありきのストーリー。
人間から愛されなくても、犬は愛してくれる。
かけがえのない家族。
エンディング。
十字架の影とダグラスが重なって神(GOD)となり、周りを囲んだ犬たち(DOG)が天使みたいに見えた。
エブリンの家に来た犬は、きっと元夫から彼女たちを守ってくれるだろう。
全ての犬たち、顔つきがものすごく賢い。
演技も完璧。
ケイレブ・ランドリー・ジョーンズの怪演も震えたけれど、犬たちにもギャラを弾んで欲しい。
それぞれ一生分のプレミアムフード代をもらってもいい。
(犬は一切死んだり傷ついたりしません)
犬の、人間に対する愛情深さについては「イヌは愛である」クライブウィン著(早川書房)をご参照に。泣けるほど犬が愛おしくなる本。
あと、エリックセラ(この名前聞くの久しぶりな気がする)の音楽も素敵だった。
(犬猫好きなため、偏ったレビューです)