カルロスあきお

DOGMAN ドッグマンのカルロスあきおのネタバレレビュー・内容・結末

DOGMAN ドッグマン(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

映画館で鑑賞

リュック・ベッソン監督の犬と共に生きる規格外のダークヒーロー映画。

「レオン」好きならおそらく好きな映画。
主演のケイレブ・ランドリー・ジョーンズの怪演が見どころ。

ドッグマンと呼ばれる女装した男が自分の壮絶な過去を語っていく。
異質な雰囲気で半生を語る姿はまさにダークナイトのジョーカーさながら。

幼少期に暴力しかない父とゲス兄に虐待を受け、犬小屋で生活させられる。
その時に兄が「神の名を讃えよ(NAME OF GOD)」と書かれた布を掛けてそれが裏返って見た時に一部が隠れて"DOG MAN"に見える。
ダグラスはそこから神より犬を信頼するようになる、、この流れは観ていてすごいなぁと思いました。

ある事がきっかけで父親に撃たれて足が動かなくなり車椅子生活になってしまうが、その後、何とか最悪な生活から抜け出し施設で生活する。その中ででシェイクスピアの演劇などを知っていく。
教えてくれたサルマには恋心を抱くが、その恋は叶わずより犬への執着が強くなる。

大人になり生活する為に歌を武器にドラッグクイーンとしてショーに出るが、その裏で犬を使って盗みや殺しを行う事になる。

様々な犬種のワンちゃんが出てきて、アニマルアクターとしてとても素晴らしい演技を行っている所はこの映画の見どころの1つ。
賢すぎる部分はファンタジー味をどうしても感じてしまうが、それでもワンちゃんは賢いし可愛かった。

自分の半生を担当の精神科医に話していく中で、ダグラスはどう人生の結末をつけるのかを静かに考えてラストのシーンは観た人の感じ方で変わる考察しがいのある内容でした。

ワンちゃんともう一つ今作に欠かせないのが音楽で色んなシーンでぴったりハマる良質な曲が流れるのも映画に深みを感じる事ができるのでめちゃくちゃ良かった。

ノワールな雰囲気とDOGMANことダグラスの表情や素晴らしい演技が相まってとても重厚な映画になっていて、観た後に映画の世界にどっぷりつかり、余韻を楽しむ事が出来る素晴らしい映画でした。