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DOGMAN ドッグマンのOKkynのレビュー・感想・評価

DOGMAN ドッグマン(2023年製作の映画)
3.8
リュックベッソン。あれ、フランス語じゃないと思ったらアメリカのかなりいなか、ニュージャージーが舞台。神を信じたけど、神には信じてもらえなかったダグラスのはなしは、痛いけど、美しくて、壮絶で、とっても悲しい。

映画警察に捕まったダグラスはショッキングピンクのドレスと濃い化粧が乱れた奇々怪界な人だったからどんなおかしな性癖をもった精神錯乱者かと思いきや、あれ、いたってまっとう。たしかにいろんな犯罪に手を染めている。が、それは生きていくため必要だったこと。本人だって良いと思ってやっているわけではない、まっとうに暮らすこと、神を信じて暮らすことをのぞんだはずなのに。

お母さんが料理をするときにかけていたヨーロッパの音楽、お母さんが見ていた雑誌、サルマに教えてもらったシェイクスピアやメイクが、ダグラスがダグラスでない人になるための支えとなる。救いとなる。美しさの中におぼれる。生物学の学位よりも生きるための糧になる。

結果悪事に手を染めるけど、絶対的な悪なんてい、人を恨む気持ちもない。

犬と意思疎通ができる特殊能力、あれはダグラスの魔法。犬の痛いシーンも覚悟しないといけないのかと覚悟しながら見てたけど、一匹たりとも死ななかった。ある意味、わんわん大活劇もしくはファンタジー。そこに愛があってよかった。

最後の十字架、旅立ち。美しくってまぶたに焼きつく。

ステファン・グラッペリ、ジャンゴラインハルト、ユーリズミックス、エディとピアフ、マイルスデイビス、ゴッドファーザーのテーマ、エディットピアフ、マリーネデートリヒ、ゴッドファーザーのテーマの英語詩など挿入歌も印象的。
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