“神は不幸な者に犬を遣わす”
『ニキータ』『レオン』の呪縛から逃れられずなぜか追いかけ続けてしまうリュック・ベッソン監督作品😁
まず最初に
「規格外のダークヒーロー爆誕」というキャッチコピー
これは完全にミスリードを誘います
内容はある青年が内省的感情と向き合い自身の生きる意味を模索するお話
なので彼が戦う相手は自分自身
さらにそこに宗教的メタファーが散りばめられた相当シリアスな人間ドラマ
ただそこは流石のリュック・ベッソン
彼自身も大好きな犬を主人公の相棒に添えてエンタメとしても楽しめる作品に仕上げています
そんな難しい役を見事にこなすケイレブ・ランドリー・ジョーンズの演技がとにかく素晴らしい!
悲惨な生い立ちの中で主人公が失ったものは身体的能力だけでなく社会との関係性
そんな彼に影響を与えるのは全て女性
音楽が大好きな、家族の中で唯一の味方だった母親
芝居ではどんなものにでもなれると教えてくれた養護施設の年上の職員
ただ彼女からは自分が失ったものの大きさを突きつけられ、彼の生き方は大きく変わることに…😢
さらに自身の人生を重ねる相手は彼と同じく不幸な人生を送ったエディット・ピアフやマリリン・モンロー
彼にとって彼女達は聖母マリアか?
そして『ジョーカー』のラストシーンを思い出させる女性精神科医との対話
彼女に自身の境遇を重ね語る過去の出来事ははたしてどこまでが事実でどこまでが妄想か?
ただジョーカーと違うのは彼には神から遣わされた犬という味方がいること
彼の意思を完全に理解し行動する彼らの姿はこの作品のもう一つの見どころ
終盤彼らが大活躍するシーンはそれまでのシリアスなトーンから一転、エンタメに振り切ってほぼコメディ😄
なので少々脚本も甘く、対峙する相手がかなりショボいのも御愛嬌w
そんな彼らが次に救う不幸な者は誰か?
そして彼らを次に遣わす神は誰か?
そんなことを考えながら、この作品を観た誰もが「自分を救って!」と思うはず😆
p.s.
もう一つのキャッチコピー問題
「『レオン』の衝撃から30年」
それってちょっとベッソン監督に失礼じゃない?
まぁわからなくもないけどw