メッチ

DOGMAN ドッグマンのメッチのレビュー・感想・評価

DOGMAN ドッグマン(2023年製作の映画)
2.7
確かに本作も愛がテーマの作品だった。でもそれよりもワンちゃんの演技が凄い。

あらすじは、ある日とある男が警察に捕まる。彼は少年時代に血の繋がった家族から虐待を受ける。ただ、血の繋がっていない種を超えた犬たちだけは彼に優しく接していた。絶望を受けてきた分、犯罪に手を染めていく…、というお話。

まずは、わんちゃんたちの演技が、別作『ベートーベン』を思わせるものがありました。別作『落下の解剖学』に出演していたわんちゃんも白身の演技でしたが、純粋に本作はワンちゃんの演技というかアクションは目が離せませんでした。
あと、わんちゃんとの愛は確かに描かれていたかと思います。

ただ、本作も愛がテーマではありましたが、掘り下げが浅かったというか主人公ドッグマンの行動原理みたいなものが不足していた気がしました。なぜ犯罪に走ったのかを丁寧に説明はしてはくれてはいましたが、時間かかっていたけれどもそこまでの窮地に追い込まれていなかったようにも思えてしまって…。もちろん、親からの虐待や車椅子での生活を余儀なくされるところは分かります。ですが、集団生活でいじめを受けるとか信用していた人に意図的に裏切られるとかがなかったことから、そこまでの窮地に追い込まれていなかったかと。
それに、家族からの愛がなかった分犬からの愛はあったし、自身の思い通りにならなかった分と対象に手を差し伸べてくれる人はいたのだから、犯罪に手を染める動機としては肯定できなかったかと思います。
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