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DOGMAN ドッグマンのAPlaceInTheSunのレビュー・感想・評価

DOGMAN ドッグマン(2023年製作の映画)
4.0


好きなライターさんが『ダンジョンズ&ドラゴンズ』について書いたレビューを引用します。
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『北米圏のメジャースタジオが得意とするファンタジー設定の、終始コメディタッチの、美術、撮影、編集という点からも特筆すべきところも特にない、そこそこよく出来たブロックバスター映画。テーマ的には、コミュニティや社会への貢献に夢中になるあまり、家族や愛する人たちを蔑ろにしてしまう男性性/父性の有害さという手垢のついたものでしかない。

でもさ、このトキシックな構図ってさ、ウォークカルチャー以降の、社会意識、倫理観を大切にするあまり、大衆文化/ポップカルチャーにとってもっとも大切なはずの、どんな社会属性を持った観客に対しても等しく興奮や喜びや勇気を与えるという役割がすっかり蔑ろにされている2020年代的状況のアナロジーに期せずしてなってるんじゃない?なんて思ったり思わなかったり😆。

総じて、ホント大した作品ではないわけです。ショット繋がっていかないしさ。ショットの繋がりで物語を語るわけでもないしさ。コンピューター使って精密に画面設計した擬似ワンシールワンカットとかやっぱつまんねーって思っちゃうし(ただ、同じ擬似ワンシーンワンカットでも『ガーディアンズ』最終作のそれよりは遥かに良かった😊)。

ただ、形式においても主題においても特に志の高いことは敢えてやろうとはしないという点において、とても高い志を持った作品。しつこいくらいの下らない冗談の連続に何度もゲラゲラ笑ったし、思わず何度も涙ぐんだ。心の底から楽しみました。』

このDOGMANは終始コメディタッチのファンタジーでもないし、ジャンルもテイストも全然違う映画なんだけど、観ながら思い出したのはこのレビューでした。

全然、偉そうな事言おうとして無いし、勿体ぶった映画じゃないし、
『ジョーカー』を下敷きにした設定でもあるけどコチラは主人公の真似をして犯罪者になるような社会的影響力はない。
なんならcheesyでベタなお涙頂戴ものと揶揄されてもおかしくない場面もあるんですけど、それが良いんですよ。大衆文化としての娯楽映画に徹していて。


ケイレブ・ランドリー・ジョーンズが例に漏れず素晴らしいんですけど彼のベストアクトかと言うと違うかなぁ。『ニトラム』のが上をいってはいる😊

孤児施設で出会い、ダグラスに文学と演劇の素晴らしさを教えるサルマ(グレイス・パルマ)とのシーンがどれも良くて二人でシェイクスピア劇を演るシーンは泣いちゃいます😂👍
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