時代劇としてふざけた成分はない。長回しで演技力を存分にみせつけてくる。
題材はともかく話のスジはまぁ普通。
現代ではもはや擦り切られた内容、あるいは陳腐とも言える道理を、時代というフィルターを通して素直に味わえるのが時代劇の好きなところなんだけど…
この映画はちゃんとしすぎていてなんだかよくできた大河ドラマを観ているような気分になる、つまりこのまま現代に通用しちゃいそうな感じが逆に時代劇として素直に楽しめない部分もあった。
「んなわけあるかい!」と突き込みを入れたくなるような感情のデフォルメがない。どちらかというと引きの美学っぽい内容だし。
また三國連太郎と山崎努が良過ぎる、ということに他のことがかき消されたような感もある。映画を観ていて演技なんてのは意識するべきもんではないと思うが、演技が良すぎて逆に演技が目立ってしまうという…いや、いい映画だったんだけど、ほんとに。。。
しかしこれ135分もあったのか。おにぎり握ったりセルティック・フロストのベース練習したりしながら観ていたためか長さは感じなかった