コマミー

バト・ミツバにはゼッタイ呼ばないからのコマミーのレビュー・感想・評価

3.8
【大人になる儀式】




"バット・ミツバ"とは、"ユダヤ教"が行う"成人式"のようなものである。この「バット・ミツバ」は女性の場合の呼び名で、男性だと「バル・ミツバ」と言う呼び名になる。女性は12歳、男性は13歳の時に行われ、決して法律的に大人ができる全ての事が出来るわけではないが、神の前で"自分の行動に責任を持つ"と言う事を誓うと言う儀式の一環なのだ。
ユダヤ教についてこんなにも深く触れた作品は、結構稀ではないだろうか?それもこれも、"アダム・サンドラー"が実際にユダヤ系であるのも同名の原作小説の映画化に繋げたのだろうと感じる。

共にバット・ミツバを控える親友同士の"ステーシー"と"リディア"。最高のバット・ミツバにする為にいろいろ計画していた。しかしリディアの"ある行動"で2人の関係性は亀裂が入り始め、ステイシーも"あるハプニング"で事態はもっと最悪な方向に…。

"ハッピー・マディソン"がこんなにも本格的なティーンエイジャーものをやるのはかなり珍しく、内容もとても良い方なので良かった。いつも通り下品な内容も入っているが、それをあまり気にしないほどのステイシーとリディアの友情の物語に釘付けになれた。
本作のメインとなるのは"サニー・サンドラー"演じるステイシーの方で、"ユダヤ教に忠実な両親"にひもじく感じながらもバット・ミツバの計画をリディアと共に練っていた。そんなステイシーやリディアを通して、ユダヤ系のみならず、この頃の"女子の心情"をよく描けている良い作品だなと思った。ステイシーを演じたアダム・サンドラーの娘サニーとリディアを演じた"サマンサ・ロレイン"は、今後も注目の女優であるだろう。

見てもらえると分かる通り、本作は"サンドラー家総出演"の映画である。アダムや次女のサニーの他、長女の"セイディ"、そして妻の"ジャッキー"も出演し、一家総出でこのユダヤ系ティーンエイジャー映画に出演しているのだ。その中でもステイシーを演じたサニーの演技は今後もどんどん見れる事を願いたい。

ティーンエイジャーものらしい要素を兼ね備えながらも、しっかりとユダヤ教家族としての一面を確かに描いている。ハッピー・マディソンの近年の作品の中でも一二を争う注目作になるのではないかと確信しているし、サニー・サンドラーの今後には是非とも注目していきたい。

非常に面白い青春コメディだった。サンドラー家最高。
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