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宇宙戦艦ヤマト 劇場版 4Kリマスターのtoolboxのレビュー・感想・評価

3.5
子供の頃、夢中になってテレビを見ていたし、駄菓子屋でカードを買って集めてもいた。……それでも覚えていたのは、ヤマトでイスカンダルへ向かうことと主要キャラの名前くらいだった。数年前にキムタクの実写版も観たというのに。

『さて、何のために古代くんはイスカンダルへ行くのだろう?』

映画が始まって、懐かしい声優さんの声やアナライザー、真田さん、島くんなどヤマトのキャラクターの名前が出てきて、忘れていた記憶が頭の中で少しずつ浮かび上がる。これには嬉しい喜びがあった。ささきいさおが歌う『真っ赤なスカーフ』や『地球滅亡まで何日』のテロップなども懐かしい。

赤焼けた空のもと、船体の殆どが埋まっている戦艦大和が沖田艦長の命令のもと、地中からヤマトが発進するシーンは、さすがに記憶に残っていて感慨深いものがあった。

それでも

『イスカンダルって本当にあったんだっけ? 放射能除去措置は貰えるんだっけ?』

など肝心な物語の結末の記憶は最後まで蘇ってこなかった。放射能だのと子供には難しい話だったのかな。

それでも当時を懐かしむばかりではなく、キャラクターの顔が何気に劇画っぽいな。反戦のメッセージがあるんだ。ラストは無音で終わっていくんだ。など子供の頃には想像できなかった新しい発見もあった。

後半の沖田艦長のシーンは覚えていて今観てもとても良いシーンだと思います。

劇場は自分を含めて年配の人が多く、みんな様々な想い出がこのアニメにあるのだろう。視覚で映画を楽しむというより、頭の中で当時を懐かしむ。そんな時間を過ごせました。
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