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宇宙戦艦ヤマト 劇場版 4Kリマスターのsithmaroのレビュー・感想・評価

3.5
とりあえず最初に書くが、初心者にはお勧めはしない。
『宇宙戦艦ヤマト』という作品に初めて触れる人ならば、まずは旧作のテレビシリーズ、もしくはリメイク版から観てほしい。
この劇場版を観たところで、作品の魅力を感じとることはてきないだろう。

ちなみに私はこの作品は何度もみてはいるが、劇場で観たのは今回が初めて。
今のこの時代に旧作の劇場版を観ることができたという感慨深さから、点数は少し甘めにつけてしまった。
なにせ30分アニメの全26話を130分に収めた総集編の映画だ。
そりゃ無理が生じるというものだ。

序盤はシーンのぶつ切り。
それをナレーションで強引に繋ぎ合わせている。
面白いとか、面白くないとか言うより、テレビシリーズを観ていない人には、何が何やら理解できずに振り落とされかねない。
面白いと思えるのはドメル艦隊と戦った七色星団の戦いと、デスラーとの対決になったガミラス本星の戦い辺りか。
まぁ作り手側も、ファンが一番観たいエピソードを理解した上で、そこに的を絞ったのだろう。

お世辞にも出来がいい作品とは言い難い。

しかし幼少期から作品に触れ、心に刻みつけ、温め続けてきたファンの1人に「あの頃」に灯していた火を再び点火するには充分なすぎる魅力を持っているのもまた確かだろう。

ファン以外には全くお勧めはしない。
観る前も観た後も頭の中で宮川泰の音楽を奏で、沖田艦長の台詞に一喜一憂し、旋回する主砲の砲身の動きに興奮しちゃうような生粋のファンにとってはスコア以上の価値がある作品と言えるだろう。
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