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宇宙戦艦ヤマト 劇場版 4Kリマスターのtakのレビュー・感想・評価

3.8
2023年映画館納め。最終日最終上映にヤマト好きの仲良しと滑り込みっ!ちゃんと観たことがなかった劇場版第1作。4Kリマスター版がスクリーンで観られるなんて機会はもうないだろうから、これは観ておかねばっ!😆

最初のテレビシリーズが放送された1974-75年、僕は小学生。時期的には永井豪のロボットアニメにギャーギャー言ってた頃だが、ヤマトはしっかりと覚えている。赤い地球に滅亡までのカウントダウンが重なり、「真っ赤なスカーフ」が流れるエンディングをすっごく寂しく感じながら、毎週テレビを見ていた。その後も再放送があれば見ていたな。そうそう、小学校6年の鼓笛隊では主題歌を演奏したっけ(懐)。

本作はテレビシリーズの総集編だから、話の進行が駆け足なのは仕方ない。木星で浮遊大陸を波動砲で吹っ飛ばす場面はあっても、その強大なエネルギーの怖さには触れていない。反射衛星砲で苦戦するエピソードもすっごく悲壮感を感じていただけに、本作ではあっさりとしている。それでもストーリーの軸となる見せ場はしっかり押さえている。特に七色星団のドメル戦のど迫力と、もうダメかも…と子供心に思った危機感はそのまま。ガミラス星での死闘も、4Kリマスターのノイズのない綺麗な映像で味わえたことがありがたい。それにしてもこうして話をつなぐと、見せ場ばっかりだから130分は実に濃密。リメイクの「追憶の航海」でも同じことを思ったな。

最後の戦闘でガミラス星を滅ぼしてしまったヤマト。「戦うべきではなかった。愛し合うべきだった。」古代進の台詞は、初めて見た時も子供心に強く刻まれたけれど、今回はその直前の森雪のひと言、「あたしにはもう神様の姿が見えない」も重く感じられた。ヤマトシリーズの作品には様々な魅力があるけれど、貫かれたのは、誰かのために自分に何ができるか。戦闘シーンや戦術の面白さはもちろんあるけれど、作品を通じて君ならどう考える?どうする?と突きつけられているような気持ちにさせられる。

何よりも、今回映画館で観られた喜びは大きい。宮川泰のオリジナルの音楽を映画館の大音量で聴けるなんて。シリーズ最初の方で見られる肌の色の塗り違いが語り草となっているが、今回のリマスター版でも修正はされずに場面が変わると肌が青く変わったりもそのまま。物足りなかったのは、帰路でのデスラー逆襲シーンと「古代君が死んじゃう!」がなかったこと。でもあの場面があったら、たっぷり2時間半超の長尺だったな。
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