Baad

フライデー・ナイト・プランのBaadのレビュー・感想・評価

4.3
名優故イルファン・カーンの息子バービル・カーンが主演の青春モノ。インド制作のネットフリックスオリジナル映画。

何歳になってもあまり変わらず愛らしいジューヒー・チャウラーさんが母親役だったのでなんとなく見ましたが、これは拾い物、というかちょっと良かったです。

クオリティー的にはNetflix的というより劇場公開レベルのヤングアダルトもので、このジャンルでは最近では珍しく明るい展開でよかったです。
シャーヒド・カプールのデビュー作”Ishq Vishq"を思い出しましたが、時代が変わったので役者の個性に寄せた作りで、恵まれた初主演作だと思いました。

劇場公開のヤングアダルトもののヒンディー語映画って、大抵登場人物の家庭が中上流のお金持ち設定なんですが(Netflixだとど真ん中の中流がなぜか多い)、その上に普通のお話だったのでアクションものとは別の意味での安定感や多幸感が半端なしで、Netflix映画なのに昔ながらのボリウッド本流のジュブナイル映画を時代にあわせて上手に撮ってみました、というところがとても良かった。

最初流し見していましたが、細部の設定もよく考えてあって、集中してみたほうがいい作品でした。

未亡人でシングルマザーの母親の出張中、しじゅう喧嘩しているほど仲のいい高校生兄弟(特に優等生で優柔不断な兄)がスポーツのの試合や年に一度のパーティーを通じて成長する、というお話でした。

細かい部分についてもネタバレしない範囲であとで追記します。☜と書きましたが完璧ネタバレの元ネタに思い当たったので、そちらは一部ネタバレに。

インド映画的な部分での見どころはバービル・カーン、やっぱりイルファンに似ているなあという部分で、カメラが似てるところ追いかけていてそこがまた地味に魅力的。こういう部分で二世俳優は得するなあ、と思いました。見る方にとっても地味に眼福っていうのはあんまりない得難い経験。あと、イルファン・カーンって演技力が確かで風貌が迫力で独特だったのであまり気づかなかったのですが、今更ながら、やはりルックスもとてもよかったのですね。

あと、弟の世慣れぶりというか要領の良さがインド人独特、という感じがしてすごくよかった。
微妙に敵役の副?警部補もよかったです。これはみてのお楽しみ。

ボリウッドの昔の青春ドラマ風のつくり、と書きましたが監督はジョン・ヒューズを意識したということで、それをインド風に控えめにアレンジするとこうなる、ということで、インド映画ファンだけじゃなく、青春モノが好きな人も楽しめるかも。つづきはネタバレに。

スコアは低めに出ていると思ったので、暫定的に高めにしました。
実感としては4,0前後かな。
Baad

Baad