めんたいこ

ある閉ざされた雪の山荘でのめんたいこのレビュー・感想・評価

ある閉ざされた雪の山荘で(2024年製作の映画)
3.0
納得ができるということと面白いかどうかは別問題。

曲者揃いの閉鎖的なコミュニティ、劇団員に異物としての主人公。舞台は陸の孤島。面白くならないはずがないシチュエーションだが、鑑賞後には「トリックはわかるがレトリックがな…」という非常に微妙な気持ちに。

以下はネタバレには当たらないと思うがギリギリの線だとは思うので、これから観ようと思っている方はブラウザバックを。

本作では複数の被害者が生まれるわけだが、誰もが襲われている際「助けを求めず、悲鳴もあげない」という描写がある。これはその理由が後に判明するわけだが、ビジュアル表現として圧倒的に違和感がある。これは原作小説では気にならない部分かと思うが、映画というメディアを選択した以上改修を加えるべきだっただろう。
叫ぶよな、絶対。

違和感と言えば強烈なのが劇中劇でとある女優の演技だけ他の演者と完全にトーンがあっていないのが大変気になる。前のショットからの切り替えが上手いだけに残念を通り越してバカっぽく見えてしまう。
作中でもキーとなるシーンなのでもっとうまい演出を採用したら映画自体の格がひとつふたつ上がったのではと思う。

また一連の事件の動機のコアとなる人物の後出し感が萎えるところだ。少なくとも序盤に匂わせることはできなかったのか。(一応会話劇には出てくるがそれはパンチが弱いだろうという)

というわけでどうにも消化不良の本作。館ものだと「すべてがFになる THE PERFECT INSIDER」がオススメです!(小説だけど)