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ある閉ざされた雪の山荘でのeikotomizawaのレビュー・感想・評価

ある閉ざされた雪の山荘で(2024年製作の映画)
3.0
火サスだと思って観るなら絶妙なサイジング。

ただ、映画としては、やはりオーディションの真偽と、狂言回しの彼がこのオーディションに参加できた経緯の筋が通らないと三重構造目、ひいては四重目が大きく破綻してしまうので、ミスリードのための無意味な配置の構図をしつこく出す尺があるならその補足を徹底させる必要があった。

1 オーディションが真実の場合・監視カメラの有用性をふまえ演出家にも通じていないとオーディション自体が成立しない。であれば演出家自身も共犯でない限り二重目構造、もとい犯行を全うすることはかなり難しい。ただしその場合演出家が共犯である意図は全く明かされておらず、また、狂言回しの彼が参加できた理由が不明。

2偽オーディションの場合・三層目のオーガナイザーにとって完全に邪魔でしかない彼という存在の必要性や参加経緯がやはり見えてこない。

3ただの劇中劇だった場合・本多の口ぶりからして黒幕の苦難は事実のようだから、狂言回しは全然無関係なオーディションを突破したかそもそも劇団の端役で、加えて脚本を書いたということになりそう。これが筋としては1番通るが、ぶっちゃけなんでもありとなってしまうため、鑑賞側からしたら最も無粋なオチになってしまい、面白いというよりは「はあ?」である。

原作でのそのあたりの辻褄はきっちりしていたのかもしれませんが。。
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