このレビューはネタバレを含みます
なんだか全体的に舞台劇のような映画。
特に森川葵が舞台女優的な演技だと思った。舞台では発声や動きが日常的ではないという意味で。
重岡大毅は逆に演技が自然で探偵役としてはふさわしい演出かなと思った。
はじめから舞台劇だと思えば、設定のおかしなところや、不自然なところも、どうでもよくなってしまう。
ミステリーの映画かと思ってみると、いろいろ辻褄が合わない。
これは、つかこうへいのような、演技、演技で役者の魅力を見せていく感じの作品として徹底すれば良かった。
そのわりには、俯瞰で全員の動きがわかる描写があって、この映画の目指す方向が何のか、ヒッチコックなのか、つかこうへいなのかと迷わせる。この迷った感じが中途半端な作品になってしまった理由ではないでしょうか。
背景もはじめから舞台の背景みたいに抽象的にすれば、ミステリーの要素も目立たないですんだかも。原作とは別物でしょう?