ぶみ

フラッシュオーバー 炎の消防隊のぶみのレビュー・感想・評価

1.5
絶対に、救い出す。

オキサイド・パン監督、ドゥー・ジアン、ワン・チエンユエン等の共演による中国製作のアクション。
化学工場で化学物質の大規模な爆発事故が発生、事態に対処する消防士等の姿を描く。
主人公となる消防署長ジャオをチエンユエン、消防の通信員ハンをジアンが演じているほか、トン・リーヤー、ハン・シュエ等が登場。
物語は、ほぼ前述のあらすじのとおりと言っても過言ではなく、冒頭、タンクローリーの事故が描かれるほかは、ほぼほぼ化学工場での大爆発事故が舞台となる。
ただ、いかんせん、その内容で二時間引っ張るなら、それなりに緩急があったり、ドラマチックな展開が必要となるのだが、基本、火災発生、人命救助、消火の何度とない繰り返しであり、全てが予定調和で進み、かつ想定外の出来事も起こらないことから、途中で飽きてしまったのが正直なところ。
そして、残念なのは、ワンカットが非常に短く、次から次へとアングルが変わるのに加え、顔のアップを始めとした近接ショットが多いため、全体として何が起こっているのかわからないこと。
加えて、ゴリゴリのCG映像は、それなりのクオリティなのだが、火災による灼熱地獄であるはずなのに、その熱さが伝わってこないのは、この手の作品としては致命的であるし、音響の解像度も低く、音圧やサラウンド感が今ひとつなので、何だかモノラルスピーカーで鳴らしているかのよう。
感動を煽るような仰々しい劇伴が常に鳴り響き、物事自体も、とってつけたような恋愛模様あり、わかりやすい死亡フラグありと、昭和のメロドラマを彷彿とさせる演出ばかりで、王道と言えば王道なのだが、今となっては古臭さしかなく、消防士のお仕事啓発ムービーを見ているようであり、時折アルバトロス・フィルムがシネコン向けに配給する中国作品の中では、残念な仕上がりであるとともに、途中からチエンユエンが若かりし日の高倉健に見えてきた凡作。

これが俺の仕事だ。
ぶみ

ぶみ