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キエフ裁判のririmicaのレビュー・感想・評価

キエフ裁判(2022年製作の映画)
3.8
正義とは、公正とは、あるいは犯罪とはなにか…
以前の『粛清裁判』とは異なる"悪"を裁くための裁判。それをこうして、少し離れた時代から俯瞰して視聴できたことに価値があるなーと感じました。
正直、自分には今の段階で知識もないし、素人目では誰がどのくらい悪いとかはわからん。
ただ、それが正当なものだったのかを自分で考えることは可能な訳でして。被告人たちの証言がどこまで正しいのか、あるいは証人たちの証言がどれだけ正しいのか、その言葉の端から推測しながら映画の結末まで辿っていけたと思います。


個人的なことではありますが、以前『バビ・ヤール』も見ていて、とあるシーンに非常に食らってしまったことがあり、今回なんも知らずにこれを見たら、あら不思議例の裁判じゃないですか!と。
バビ・ヤールの証言が始まったあたりでようやく気づいたんですが、つまり自分はこの裁判のゆくところを知っていた訳で、判決日のシーンはバビ・ヤールのときよりも苦しく感じました。そして、またこのシーンを見るのが今日になるとは思ってもみなかった。これは自分の情報不足が招いた不幸中の幸いというのか、より感じられることの多い1本になりました。
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