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ぼくは君たちを憎まないことにしたのseapointのレビュー・感想・評価

2.8
うーむ、事件からさほど日を経過していないのにあの感情は可能か?クリスチャンの慈悲?
いやいや、無理だろう。聖職者でもなければ。彼の日常では敬虔な信者というほどでもなさそう。息子と2人で生きていく今後の人生を灰色にする訳にはいかない。怨念を持って生きていく訳にはいかない。うん、それはわかる。わかるけれどそれは事件が風化というか長い年月を経てある程度の人生の区切りがあった時ではなかろうか。全然傷心が癒えるどころか、まだ生々しいのにそんな風に思える?むしろ何とか目には目をと思わないのだろうか。
作家だから言葉は一般人より巧みだ。だからSNSでも多くの人に響く、拡散される。挙げ句にTV出演。(うーむ、これは自身の売名行為っぽいが)ぶつける所がないから時に叫び、時に咽び泣く。息子が「ママ」と呼ぶ度に胸が締め付けられる。その繰り返し。そうだろう。時が経過しても勃発的にそういう感情が起こるはず。
おそらく息子はいずれ彼女を忘れてしまうだろうが、彼の傷は癒えることはない。ただただ2人で歩いていく他ない。大きな試練だ。だが悲しいかな、それで人は強くなって欲しい。地味に淡々と描く話。でもそれが普通であり、ドラマティックことなんてない。
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