書店員見習い

ぼくは君たちを憎まないことにしたの書店員見習いのレビュー・感想・評価

3.5
私は時々、「自分の家族が事件や事故に巻き込まれ命を落としたら、自分は正気を保てるだろうか?」という不安が襲ってくる事がある。その状況を疑似体験するかのような映画だった。
妻の変わらず綺麗な姿を見て、いっときだけ心の状態が良い夜に投稿した文章。それが思いがけず拡散されて英雄扱い。
お礼や励ましの言葉に元気づけられる日もあれば、自分の言葉に苦しめられる日もある。前向きにならなくては、と思ったり絶望に耐えられなくなったり、感情は一定せず常に不安定。それがずーっと続く。そりゃそうだよな、と。それでも、必死に黒い感情に飲み込まれない様に、世界には素晴らしい事も沢山あると伝える為に、愛する息子の為に、ずっと闘っていくのだろうな。そうするしかないのがとても辛い。