xavier

ぼくは君たちを憎まないことにしたのxavierのレビュー・感想・評価

3.0
ある日突然、最愛の人を奪われてしまったら、あなたはどうしますか?…
2015年11月13日の朝、ジャーナリストのアントワーヌは急いで仕事に向かう妻のエレーヌを息子のメルヴィルと共に見送った。その晩、いったん帰ってきたエレーヌはアントワーヌの友達でもあるブリュノと共にライブへと出掛けて行ったが、同時多発テロがパリで発生し、エレーヌはテロに巻き込まれ命を落としてしまう。幼い息子と残されたアントワーヌは、妻の命を奪ったテロリストに向けて、手紙をしたため…
ストーリーはこんな感じ。
あらすじから言って、テロで妻を亡くし息子と2人で生きていかなければならなくなった夫が"今まで通りの生活を続ける"という決意表明の為、テロリストへの手紙をフェイスブックに投稿し、息子と懸命に生きてい行く姿を描いた作品だと思っていたが、感じた印象としては違ったかなぁ…

作品の序盤から中盤ぐらいまでは、愛する者を突然、亡くした者の誰とも悲しみを共有出来ない事の苦しみに"そりゃそうだよね"って共感も出来たが、それ以降は"何なんだろうなぁ?"って思うようになったかな
アントワーヌの悲しみが深いのは解るんだけど、自分ばかりが不幸の真っ只中にいるって思っている節が見え隠れする。エレーヌを亡くした事はアントワーヌだけでなく
彼女の兄妹そして両親に取っても辛く悲しい事。そして幼いとは言え、お母さんを亡くした息子メルヴィルに取っても悲しい事
それを自分だけが悲しいと言わんばかりに
エレーヌのお墓の事や葬儀の事は彼女の家族に丸投げ出し、育児の点に置いても時分の世界にどっぷり浸かりメルヴィルの事すら忘れる事もある。
これはどうなんだろうね?
亡くなったエレーヌはさて置き、アントワーヌとメルヴィルは、これからも生きて行かなければならない。それなのに、エレーヌとの過去の思い出に溺れるアントワーヌにはその姿にさえ感じない。父親としてどうなんだろう?メルヴィルが不憫に思えたわ。それに色んな事からも逃げてたしね。
そんな姿を観ていたら、共感どころか嫌悪感しか感じなかったわ。

とストーリー的にはあんまり…と思っていたんだけど、それをカヴァー出来るぐらいメルヴィルが愛らしかったわ。
生後17ヶ月って設定らしいんだけど、メルヴィルを演じた子供は3歳だったらしい。
やけに芸達者だなぁ…って思っていたけどそれを見て納得でした…
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