コマミー

キラー・ナマケモノのコマミーのレビュー・感想・評価

キラー・ナマケモノ(2023年製作の映画)
3.5
【もうノソノソ動かない】




「シャークネード」…「ゾンビーバー」…「コカインベア」…これまで様々な"アニマルキラーもの"が沢山作られたが、2024年…今度はあの、ノソノソ動く「ナマケモノ」が、人類に牙を剥くことになる。


ナマケモノの"パペット感"が絶妙にB級感を感じさせるものになっていたが、ナマケモノの"凄まじい生命力"とそれに見合った"猟奇的な行動"の数々が、もはや本作を大作並みの興奮にさせてくれた…と思う。
そして本作は、"スクールカースト"を描いた作品でもあることを伝えておきたい。"寮の一軍"を勝ち取る為に、"何かを犠牲に"しながらも"フォロワー稼ぎ"の為に奔走する女学生の姿を描いており、ちゃんと"現代社会への風刺"も効いている。そんなスクールカーストに紛れて、凶行をコッソリ繰り返していくナマケモノの姿に恐怖を覚えながらも、なぜか愛嬌も感じた。そして、ナマケモノが真に"心の奥底で願っていた事"が、現代の生態系の問題の事について考えさせられ、寧ろ哀しくなってしまった。

本作はこれまでのアニマルキラーもの同様、ネタ系に走った映画かもしれないが、現代社会への風刺もしっかりしており、舐めてかかったら痛い目に遭うかもしれない映画であった。
まさにナマケモノが、怠けず、猟奇的な方法でそれを伝えた映画であった。
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