Breminger

キラー・ナマケモノのBremingerのレビュー・感想・評価

キラー・ナマケモノ(2023年製作の映画)
3.9
去年はカブトガニ、今年はナマケモノと、平和に生きてる生き物をスラッシャーに仕立てる傾向がある近年のモンスターパニック界隈。
そういう作品から映画に入った人間なので感謝でしかないです。特典はステッカーでした。

キル数の多いモンスターパニックで、景気良く楽しめました。ご都合主義というか整合性ガン無視のストロングスタイルが素晴らしすぎて、どのシーンもニヤニヤ観ていました。

密猟されて人間に好き勝手されていて、SNSでのバズりに利用されそうになったからそれへの反骨心で凶暴化したんだなぁと納得してからはエンジンかかりっぱなしでした。

この手の作品は予算的な問題でちょびっとしか被害者を出さない作品もあるんですが、今作のナマケモノのアルファはしっかりと暴れ回ってくれます。
初っ端ワニの腹に傷を入れて殺してるシーンでテンションが上がって、密猟者もしっかりとっちめて、エサが大量にいる女子寮なんかは格好の狩場ですから、それはそれは暴れ回ってくれます。
爪を使って首を掻っ切ったり、顔面ぐちゃぐちゃにしたり、はらわた裂きまくったり、頭脳戦で感電死させたりトラップに嵌めたりなどなど、どこでそんな事覚えたんだよのオンパレードで笑いっぱなしでした。
車の運転なんかハンドルまではまだしも、どうやってアクセルとブレーキ踏み込んでんだ?と一瞬考えましたが、スマホを使いこなせるアルファにはそんな事関係ないよなとナマケモノの体の構造をすっぽり忘れて運転テクニックに魅入っていました。

他のホラー映画のオマージュなんかも遊び心で入れちゃったりして、作り手が楽しそうに作ってるんだろうなぁというのが伝わってきてそれだけでも儲けもんです。「シャイニング」ってどんな作品でも見るなぁと改めて影響力の高さを感じました。

割と人間サイドも戦ってくれるのも良かったです。まさかの刀が登場した時には笑いましたし、しっかりアルファと戦う時にも使ってくれるので日本人のサムライ魂が疼きました(模造刀しか持った事ないのに)。

終わり方は誰かが殺されるとかではなく、ナマケモノは良い子ですよ〜みたいな平和ボケ終わりで、この手の作品としては安牌な終わり方でした。まぁ殺人ナマケモノがもっといたとかなったら大変なんですが、そこんところは「キラーカブトガニ」のジャパン襲来には劣るかなぁと思いました。

ナマケモノは完全にぬいぐるみがわきゃわきゃ動いている可愛いやつで、手作り感満載で最高でした。

アニマルパニックものはなんぼあっても良いので、国内外問わずたくさん生まれてくれたらいいなぁと思います。誰かダイオウグソクムシとかで作ってくれませんかね。クラファンします。
Breminger

Breminger