かわさき

ブロック・パーティーのかわさきのレビュー・感想・評価

ブロック・パーティー(2006年製作の映画)
4.6
 ディアンジェロの再来日にワクワクが止まらないシリーズ③

 シリーズの最後に取っておこうかと思ったけれど、我慢出来ず何年連続何度目かの鑑賞。監督がミシェル・ゴンドリーということを忘れるほど、ミシェル感はゼロである。よくぞここまで土着的に仕上げてくれた。まさしく、キング・オブ・ライブドキュメンタリー。

 それも偏に、人気コメディアンのデイヴ・チャペルの存在の大きさによるだろう。日本では馴染みがないが、彼は米国内では有数の影響力を持つ人物だ。昨年も、フォーブス誌による「2015年最も稼いだコメディアン」でその名を刻んでいた。こと黒人コミュニティにおいて、彼を知らぬ者はいない。

 そんな彼の鶴の一声によって、超豪華アーティスト達がブルックリンに集結する。ローリン・ヒル、カニエ・ウェスト、エリカ・バドゥ、コモン、ザ・ルーツ、モス・デフ、タリブ・クウェリ、ジル・スコット・・・etc

もうね、ごちそうさまです!!大声でそう言いたくなるほどの多幸感。クールネスの塊のようなブラザーたちが、画面に入りきらない程たくさん出て来る。今をときめくジョン・レジェンドとキーシャ・コールなんてほんの一瞬しか映らない。マジかよ。圧巻はやはりトリのローリン・ヒルだろうか。カニエも良かった。ブラック・スター(モス・デフ&タリブ・クウェリ)も最高だった。

 説教臭く何かメッセージを送りつけるわけではなく、ヒップホップを通じて黒人の生き様をクールに描いて見せた。ブラック・カルチャーを知りたいのなら、この一本はマスト。間違いない。
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