EDDIE

女優は泣かないのEDDIEのレビュー・感想・評価

女優は泣かない(2023年製作の映画)
5.0
地元熊本を飛び出しキャリアを築きながら正念場にある女優と同期に差をつけられ焦るTVディレクター。テンポの良い掛け合いで笑いをもたらす前半と一つひとつの伏線が回収され感動を呼ぶ後半。
家族と夢、失敗と成功、今にもがき戦う人々の人生讃歌。

思わぬタイミングでダークホース現る。
今年ベストです。
シナリオ付きのパンフレットに加えて文庫本まで買っちゃいました。

刺さらないわけない要素

・熊本県荒尾市の九州を舞台にしたハートフルコメディ
・田舎から飛び出し一念発起する女優が主人公
・仕事で評価されず悪戦苦闘するADとのバディ
・家族と決別してまで夢に縋る理由
・家族の物語
・卵映画(焼飯と卵焼き)
・脇役も生かされたキャラ設定
・前半めっちゃ笑える
・声出して笑った
・家族とけんか別れした主人公と父親の胸に秘めた思いの対比
・かなり脇役のファミレスの店員のセリフですら後半に生きてくる
・「くそぅでもばっかだ…」のセリフのシーンの伊藤万理華素晴らしすぎる

監督・脚本の有働佳史さんのキャリアを踏まえると、劇中の伊藤万理華さんのディレクターの役柄は監督の生き写しでもあったのかもしれませんね。
自分にとって刺さらないわけがない要素満載で文句なしの今年1位です。

◆2023年12月9日2度目鑑賞
おかわり『#女優は泣かない』行ってきました。
2回目鑑賞は場面場面を思い出しながら観ていたからか8割ぐらいずっと泣いてました。
伊藤万理華の表現力やっぱすげー!
あと一つ前に観た『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』にも出ていた上川周作さんの演じるさるたくにいっぱい笑わせてもらいました!

何が凄いって公開2週目にもかかわらず、満席。ヒュートラ渋谷のスクリーン3とはいえ、スター俳優が出ているわけでもない作品にこれだけ入ってるのは口コミ効果ですよね、きっと。押しと引きのギャップの演出が上手いんですよ。
年末年始に地元福岡に帰省予定なので、福岡か熊本で上映続いてたら観に行こうかなと思っています。

あと、今作は劇場鑑賞の醍醐味が存分に味わえる作品。
前半思いっきりコメディ、後半しんみりヒューマンドラマなので、場内のお客さんが声上げて笑ってたり、すすり泣きが聴こえてきたり。こんなシーンが味わえるから劇場鑑賞って良いんですよね。
みなさんも笑いとすすり泣きを浴びましょう!

◆卵映画としての描写
本作で登場する卵シーンは焼飯と卵焼き。
特に焼飯の使い方が終始この作品のテーマと呼応していました。
実は本作において卵とウインナーだけのシンプルな焼飯は、主人公梨枝と父親を繋ぐ良質なアイテムなんですよね。何度か登場するので焼飯には要注目。
1回目は気づいてなかった(というより気にしてなかった)んですが、序盤でも良い形で焼飯が実は登場していたんですよね。

〈キャスト〉
安藤梨花/園田梨枝(蓮佛美沙子)
瀬野咲(伊藤万理華)
猿渡拓郎(上川周作)
飯塚真希(三倉茉奈)
園田勇治(吉田仁人)
内田仁美(青木ラブ)
園田枝美子(幸田尚子)
橋本(福山翔大)
猪本則男(緋田康人)
田所公平(浜野謙太)
女将(宮崎美子)
園田康夫(升毅)

※2023年新作映画161本目
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