伊藤万理華の演じる瀬野咲と、三倉茉奈演じる飯塚真希が良かった。蓮佛美沙子演じる園田梨枝も。特に病室で隠しカメラが見つかったときと、最後父が死ぬ際の三倉茉菜の怒声、表情は、本当に上手かった。あとは伊藤万理華の二面性、露悪さを、ラブホを定宿にして開脚具に足掛けさせて電マで肩をほぐしながらソファーに寝転んでタバコを吸わせるトンチキショットもまたよかった。随所の変顔もめちゃくちゃよい。笑
ドキュメンタリーをヤラセでやろうとする瀬野や他の登場人物らのリアルを観る我々観客というメタフィクション。最初、梨枝が瀬野の車に乗ったところを車内から撮っていたカメラ、実家の前で逡巡する梨枝をあたかも家の中から撮っていたカメラは、劇中のドキュメンタリーと劇の外の劇場との境界を消失させる。
あんまり悪意のない同級生たちが若干距離を感じつつも梨枝を素朴に尊敬してるのは、ちょっとウルっときてしまった。
一番ラストの「なんであのとき(父の死に際)にカメラ入れたんですか」と、その返しは全く蛇足というか、アレでかなり作品の評価を下げた。ない方がよかった。観客各人の余韻をもっと信じて。
