ジョンスペ

52ヘルツのクジラたちのジョンスペのレビュー・感想・評価

52ヘルツのクジラたち(2024年製作の映画)
1.1
本作の作り手はいろんな不幸な境遇の表面だけを寄せ集めれば感動すると考えてるのだろうか。繊細な題材を扱うにはあまりに雑だし、そもそも志尊淳という男優を安吾役にしてる時点で間違ってると思う。パッと見がヒロユキみたいなのもウエッとなった(個人の感想です)。

開始5分の「東京で風俗〜」の会話で厳しい予感がしたのだが、やはりというか、説明セリフと意味不明なカメラワークや演出が冗長に続いた結果、上映20分で作品に対する興味を失って、あと2時間もあんのか…と絶望的な気分に…。BGMで盛り上げようとしすぎだし、暴力やら流血やら体の痣やらのシーンも無駄に多く、杉咲花の演技力がまるで生かされないのだが、話への期待がなくなった分、宮沢氷魚の学芸会みたいな演技でもリラックスして最後まで寝ずに観てしまった(笑)。

成島出監督作は昨年のファミリアもキツかったけど、本作は監督の手腕だけの問題なのだろうか。未読ながら、忠実な映画化というレビューも見受けられる町田そのこの原作本は、2021年本屋大賞受賞作とのこと。やっぱ本屋大賞はアテにならない(爆)。