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52ヘルツのクジラたちのmanaのレビュー・感想・評価

52ヘルツのクジラたち(2024年製作の映画)
4.6
原作が大好きで映画化決まった時から本当に楽しみにしてた。儚くて悲しくて美しく気づいたら大号泣してました🥲

幸せを願ったつもりで助言しても嫉妬だと思われたり、恨まれたり、表情や言葉のみのコミュニケーションは表面的すぎてある意味不便だと考えさせられる。だからといって全て打ち明けることが幸せだとも限らず、かえって苦しくなることを恐れる。そして告白を我慢し続ければ孤独に苛まれる。結果的に関係や人生を消したくなる。みたいな人特有の鬱ループ。
動物は「生きるための欲求」を満たすけど、人間だけは「死ぬための欲求」も時に満たそうとする。人であることは幸せだけど、同時に不幸だともいえる。後者側の人が死ぬための欲求を満たすのは、前者の生きるための欲求を満たすのと同じくらいごく自然なことなのかもしれない。後者とも言える主人公キコがそれでも「生きたい」と願うシーンは何度見ても胸を打つものがあり私がこの小説を大好きになった理由。

本当の意味でコミュニーケーション測れる人なんていなくて、52ヘルツのクジラは誰しもが持ってる感情ともいえるのかもしれません。
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