このレビューはネタバレを含みます
〈率直な感想(原作で大感動した人です)〉
キナコの過去(安さん)は丁寧に描けていたが、愛とキナコ(と美晴)の現在進行形の日常が全くと言っていいほど描かれていなかったのが非常に残念である。
そのせいで、愛という52ヘルツの子どもの壊れやすさや愛おしさのようなものが十分に感じられず、庇護欲や母性が掻き立てられない。また、キナコが愛の名前を叫ぶシーンもあまり心が動かされない。
「愛情をいっぱい注がれた人しか、人に愛情を注ぐことはできない。」的なセリフか大好きだったのだが、それげなかったのが残念。
〈映画好きとしての感想〉
杉咲花の演技力が相変わらずえぐすぎる。本物すぎる。
あとめっちゃかわいい。
勝手に比較するとの申し訳ないが、やはり是枝監督はすごいなと改めて思った。子役でも毎回あのレベル(『誰も知らない』『万引き家族』『怪物』など)まで演技力を引き出す。