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52ヘルツのクジラたちのchiのレビュー・感想・評価

52ヘルツのクジラたち(2024年製作の映画)
3.5
うーーーーん。原作未読なので映画の問題でないかもしれないが、違和感を覚える点、引っかかる点が多かった。

違和感ポイント
・長髪の子どもを見て男の子かもって気づいたのすごい。女の子に見える。
・トラックにふらふら突っ込んで行ったやばい状態の友達を「飲み行こう」と居酒屋に連れて行く友人。連れて行くべきは絶対に居酒屋じゃない。全体的に小野花梨演じる友人が違和感半端ない。後半でキコの家を訪ねてきてからもずっと変だけど、わざとこういう人として描いているんですよね?小野花梨ちゃん好きだけどこの役は苦手だわ…
・キコの母親。診察室で急にキレ散らかすシーンは意味がわからなかった。キコが父親の面倒を見る義理もない(妻にあたるキコの母親がいるのだからキコに介護させる理由がない)ので、一刻も早く家を出るべき。まずは働こう。
・父親預ける施設探しているが、その金は誰が出すつもりなのか?と思っていたら、キコの実家一軒家じゃん。貧乏な家じゃないのなら、初めから施設預ければいいし、なおさらキコが父親の介護していた意味がわからん。
・虐待。写真撮って通報しよう。
・主税がキコにここまで執着する理由が不明。
・「あんさん」と呼ばれている安吾。生まれた時の名前は杏(あん)だと、あんさんと呼ばれると女性として生きていた時の感覚になるような気がするが、それは嫌ではないのだろうか?名前変えたのに、元の名前で呼ばれたい?
・働いてもいないのに、子ども引き取るのは無理。心苦しくても施設に預けた方がその子のためになる。

原作未読なくせにこういうことを言うのはあれなんだが、55ヘルツのクジラという題材を見つけてただそれを描きたくて無理やり色々な社会問題を持って来た感じがした。

かなり否定的な感想を書いてしまったが、杉咲花の演技は今回も良かった。辛い役が多くて演技とはいえ心配になる。




以下ネタバレ




杉咲花とインティマシーコーディネーターらの対談記事を読んだ。これほど考えている俳優がいることに感動した。安吾がトランスジェンダーであることを宣伝時から明かし、ネタバレ扱いしなかったことは高く評価したい。だが、やっぱり性的マイノリティが亡くなる話になってしまうんですよね。この物語は安吾を死なせないと終わらせられない話だとは思わないです。
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